【Linux】VirtualBoxにRHEL9を最小要件でインストールする方法

Red Hat Enterprise Linux 9インストール方法

アプリ開発をしたくてIT企業に入ったけど、気づいたらインフラエンジニアをすることになっていた…
仕事ではLinuxを使うみたいだし、試しにインストールしてみたいなと思った人もいるのではないでしょうか。

今回は、Linuxの中でも業務でよく導入されているRHELをVirtualBoxの仮想マシンにインストールしてみたので、そもそも「Linuxってどうやってインストールするんだろう?」って方の参考になれば幸いです。基本的にはCentOSなどの他のLinuxでも画面などは大きく変わらないかと思います。

この記事を読むと・・・
Linuxのインストール方法が理解できる
目次

システム要件確認

参考としてRHEL9のシステム要件を確認していきます。
※RHELにインストールするアプリやミドルウェアデータベースなどに要件があればそれに従ってください

CPU要件

CPU の最大数は確認できましたが、最小要件は確認できませんでした。
なのでVirtualBoxで指定できる最小値の1コアを割り当てることにします。

メモリ要件

条件により最小のメモリ要件が変わるようです。
今回は1.5GiB(1.5 GiB * 1024 = 1536 MB)を割り当てることにします。

ローカルメディアまたは NFS ネットワークインストールの場合は 1.5 GiB、HTTP(S) および FTP ネットワークインストールの場合は 3 GiB

Red Hat Customer Portal

ディスク要件

ディスクの最小要件は10GBとなっています。
20GBが推奨とのことなので今回は20GBを割り当てることにします。

10GB 以上、20GB 推奨

Red Hat Customer Portal

システム要件まとめ

各項目で確認した結果より、以下の値を設定することにします。

項目設定値
CPU1コア
メモリ1536MB
ディスク20GB

VirtualBox設定

VirtualBoxのインストール手順は過去の記事を参照してください。

Name and Operating System

STEP
VirtualBoxを起動し、仮想マシン作成画面を表示する

VirtualBoxを起動し、『新規』をクリックします。

VirtualBox仮想マシン作成1
STEP
仮想マシン作成画面を表示する

インストールするOSがRHEL9.1なので、名前を『RHEL9.1』にします。

VirtualBox仮想マシン作成2
STEP
ISO Imageを選択する

『その他』をクリックし、インストールするRHELのISOを選択します。

VirtualBox仮想マシン作成3
STEP
その他OS設定

①バージョンに『Red Hat 9.x (64-bit)』を選択します。
②『Skip Unattended Installation』にチェックを入れます。

VirtualBox仮想マシン作成4

Unattended Install

自動インストールは実施しないので設定しません。

Hardware

メインメモリーに『1536MB』を入力後、Processorsに『1』を入力する。

VirtualBox仮想マシン作成5

Hard Disk

①『Create a Virtual Hard Disk Now』を選択します。
②Hard Disk Sizeに『20GB』を入力します。
③Hard Disk File Typeに『VMDK(Virtual Machine Disk)』を選択します。
※本記事ではVMDKを選択していますが、デフォルトで指定されているVDIで問題ありません。
VirtualBox では、次のタイプのディスクイメージファイルをサポートしているのでこの中から選んでください。

Hard Disk File Type説明
VDI(VirtualBox Disk Image)通常、ゲストハードディスクに対して独自のコンテナ形式を使用します。このフォーマットは、新しいディスクを使用して新しい仮想マシンを作成するときに使用されます。
VMDK(Virtual Machine Disk)VMware などの他の多くの仮想化製品で使用されています。
一般的でオープンな VMDK コンテナ形式も完全にサポートしています。
VHD(Virtual Hard Disk)Microsoft が使用する VHD フォーマットも完全にサポートしています。
HDD(Parallels Hard Disk)Parallels バージョン 2 のイメージファイル(HDD 形式)もサポートされています。

④指定したHard Disk Sizeを事前に固定で割り当てるため『Pre-allocate Full Size』にチェックを入れます。
⑤『完了』をクリックし、設定を完了させてください。

VirtualBox仮想マシン作成6

仮想マシン作成確認

仮想マシンが作成されていることを確認する。

VirtualBox仮想マシン作成7

仮想マシンネットワーク設定

STEP
設定画面を表示する

『設定』をクリックします。

VirtualBox仮想マシンネットワーク設定1
STEP
ネットワーク画面を表示する

『ネットワーク』をクリックします。

VirtualBox仮想マシンネットワーク設定2
STEP
ネットワークアダプターを変更する

①「ネットワークアダプターを有効化」にチェックをします。
②『ホストオンリーアダプター』を選択します。

デフォルトでは「NAT」が選択されています。
NATはゲストOSから外部(インターネット)への通信が可能なネットワークアダプタで、
yumコマンド利用時などに便利ですが、実務でサーバ設定を行う場合の多くは外部への接続ができない環境が多いので「ホストオンリーアダプター」に変更し、外部への接続はできないアダプタにしています。

③『OK』をクリックし、設定を完了します。

VirtualBox仮想マシンネットワーク設定3

RHEL9をインストールする

仮想マシンを起動する

『起動』をクリックし、作成した仮想マシンを起動します。

VirtualBox仮想マシン起動

RHEL9のインストーラーを起動する

『Install Red Hat Enterprise Linux 9.1』にカーソルを合わせ、『Enter』キーを押下します。

実際に業務で利用する際は、念のため「Test this media & install Red Hat Enterprise Linux 9.1」を選択し、メディアに破損がないかなど確認しておいたほうが良いかと思います。

RHELインストール画面

言語設定

①『日本語』をクリックします。
②『続行』をクリックします。

RHELインストール画面 言語

インストール先設定

STEP
インストール先画面を表示する

『インストール先』をクリックします。

RHELインストールメニュー1
STEP
インストール先を設定する

①『自動構成』をクリックします。
②『完了』をクリックします。

RHELインストール画面 インストール先

ちなみに自動構成だと以下の構成になりました。

自分でディスクの割り当てを変更してみたい場合は『カスタム』を選択し、変更してみてください。
実際の業務では何にどれだけの容量を割り当てるべきかの設計が必要になります。

RHELインストール画面 ディスク選択自動

KDUMP設定

STEP
KDUMP画面を表示する

『KDUMP』をクリックします。

RHELインストールメニュー2
STEP
KDUMPを設定する

①『kdumpを有効にする』にチェックを入れ、Kdumpメモリー予約を『自動』にします。
②『完了』をクリックします。

Kdump は、Linux カーネルがクラッシュしたときにメモリの内容を保存し、詳細なデバッグ情報を収集するための機能のことです。
実際の業務で使用するサーバによっては推奨の設定があったりするので、その場合は手動でKdumpメモリーの予約を行ってください。

RHELインストール画面 kdump

時刻と日付設定

STEP
時刻と日付画面を表示する

『時刻と日付』をクリックします。

RHELインストールメニュー3
STEP
時刻と日付を設定する

①『アジア』を選択します。
②『東京』を選択します。
③『ネットワーク時刻』をオフにします。
※グレーの状態。オンだと緑色になります。
④現在の時刻を設定します。
⑤『完了』をクリックします。

RHELインストール画面 日付と時刻

ソフトウェアの選択

STEP
ソフトウェアの選択画面を表示する

『ソフトウェアの選択』をクリックします。

RHELインストールメニュー4
STEP
インストールするソフトウェアを選択する

①『最小限のインストール』をクリックします。
②『完了』をクリックします。

実際の業務だと最小限のインストールを選択し、その他は必要最低限のものを選択することで無駄なものをインストールしないようにします。
インストールが完了後、必要に応じて追加でインストールすることも可能です。

RHELインストール画面 ソフトウェアの選択

ネットワークとホスト名設定

STEP
ネットワークとホスト画面を表示する

『ネットワークとホスト名』をクリックします。

RHELインストールメニュー5
STEP
ホスト名を設定する

①任意のホスト名を入力します。
※当サイトではRHEL9としています。
②『適用』をクリックします。
③『現在のホスト名』を確認し、設定したホスト名が表示されていることを確認します。

RHELインストール画面 ホスト名1
STEP
ネットワーク設定画面を表示する

『設定』をクリックします。
※この後手順IPアドレスを設定するので、付けたいIPアドレスが特にない方はこの画面に表示されている「IPアドレス」の項目をメモしておいてください。この画像だと192.168.56.101/24です。

RHELインストール画面 ホスト名2
STEP
IPv4のIPをDHCPから手動に変更する

①『IPv4 設定』タブをクリックします。
②メソッドを『手動』に変更します。

RHELインストール画面 IPv4設定1
STEP
IPv4アドレスを設定する

①『追加』をクリックします。
②任意の「アドレス」と「ネットマスク」を入力します。
※付けたいIPアドレスがない場合はSTEP3でメモした情報を入力してください。

RHELインストール画面 IPv4設定2
STEP
IPv6アドレスを設定する

①『IPv6 設定』タブをクリックします。
②メソッドを『無効』に変更します。
③『保存』をクリックします。

実際の業務だとIPv6を必要とする場面はあまりないので無効にすることが多いです。

RHELインストール画面 IPv6設定
STEP
ネットワークとホスト名設定を完了する

『完了』をクリックします。

RHELインストール画面 ネットワーク設定完了

root パスワード設定

STEP
root パスワード画面を表示する

『root パスワード』をクリックします。

RHELインストールメニュー6
STEP
root ユーザの設定をする

①「root パスワード」に root ユーザの任意のパスワードを入力します。
②「確認」にもう一度 root ユーザのパスワードを入力します。
③『rootアカウントをロック』のチェックを外します。
④『完了』をクリックします。

RHELインストール画面 rootパスワード

ユーザーの作成

STEP
ユーザーの作成画面を表示する

『ユーザーの作成』をクリックします。

RHELインストールメニュー7
STEP
root ユーザ以外のユーザを作成する

①「ユーザー名」に任意のユーザ名を入力します。
②「パスワード」に任意のパスワードを入力します。
③「パスワードの確認」にもう一度ユーザのパスワードを入力します。
④『完了』をクリックします。

RHELインストール画面 ユーザー作成

RHEL9 インストール・確認

STEP
インストールを開始する

『インストールの開始』をクリックし、インストールを開始します。

RHELインストールメニュー8
STEP
システムを再起動する

暫くすると「インストールが完了しました!」と表示されるので、『システムの再起動』をクリックします。

RHELインストール完了画面
STEP
ログイン画面を確認する

ログイン画面が表示され、インストールが完了したことが確認できます。
この段階でTeraTermなどで接続が可能になります!

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